キャシャーン その2

  • 原作のアニメのアクション物と思って観に行くと肩透かしを食らいます。まぁ、今更「アニメの映画化」と思って観に行く人はいないだろうけど。宣伝からしてそうだし、観客に女の子が多いのからして「原作がアニメ」という事も知らない人も多いんじゃないだろうか?僕自身オリジナルのアニメは見た事ないしなぁ。
  • 全体としては説教臭いな〜と。もっと理屈を抜きにしてアクション映画にしてくれたら、と思ってしまう…。予算の関係上厳しいのかも知れないけどさ。アクションはキャシャーンが目覚めた後にほんの少しあるだけなんだけど、それが出来が良いだけに勿体無い。ヘボイ出来なら期待しないんだけど、キャシャーンがロボット軍団相手に戦ってるシーンはスピード感も迫力もあってカッコいいんですよ。だからこそ、それをクライマックスでお腹いっぱいになるくらい観たかったのに…。
  • 中盤ぐらいからエヴァンゲリオン最終回の碇シンジの自問自答のようなのが延々と続くもんだから、スッキリしないまま終わってしまう。
  • 映像はさすがミュージックビデオクリップを撮っていただけあってスゴイ。少し暗めでコントラストの強い絵でセンスいいです。ほとんど全てのシーンで画像処理がしてあって、CGを使ってない箇所なんて無いんじゃないかな?よく6億円の低予算でココまでやったなと。スタッフの気合が感じられます。
  • 大滝秀治寺尾聰らの演技派俳優が出ているお蔭で単なるアイドル映画ではなく、ちゃんとした作品として引き立たされている。話題性だけでキャスティングしなかったのは素晴らしい。邦画によくある(主にゴジラとか)「片言の日本語をしゃべるストーリー上意味の無い外人」も出てこないし。
  • 低予算でもココまでのものが作れたことで、新しい邦画の可能性ができたように思います。絵的には全然ハリウッド映画に負けてないぞ!

…という事で紀里谷監督には今後に期待します。今度はもっとあっさりした「娯楽映画」にしてください。